【書評】【カエルの楽園2020】楽園を新しい病気が襲う~そして、どのような結末を向かえるのか~

書評
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カエルの楽園を新しい病気が襲う。

世界中で猛威をふるい現在でもなかなか終息が見えてこない新型コロナウィルスを取り上げた小説です。著者は「永遠のゼロ」「海賊とよばれた男」の著者の百田直樹さんです。

日本と同じようにカエルの楽園にも未知な病気が襲い、そして物語には結末が三通り用意されています。現実の世界では、まだどのような結末を向かえるかは見えていませんが、今後どのような結末を向かえることになるのかは私たち次第と言って良いでしょう。もしかすると、カエルの楽園で語られなかった結末を向かえることになるかもしれません。

作中では名前をもじってはいますが現実に存在する人たちが出来てきます。あの人のことだなと想像しながら読み進めることが出来るため、とても読みやすくそして面白く読むことが出来る作品ではないかと思います。そして「カエルの楽園2020」では、現実に起こったことに沿いながら私たちが次に何をしていけば良いのかということを投げかけてきます。

行動すること

作品の中では緊急事態に一所懸命対応するカエル達と、それをただ単に見ているカエル達が出てきます。ただ単に見ているだけのカエルは非難や批判はしますが、逆にアイデアを出せと言われると、「それはあなたの仕事でしょ」と言い結局何もしません。そして、なんとなく聞こえの良いことを言うだけのカエルも出てきますが、結局何がしたいのか具体的でなく、言うだけで満足してしまっています。そうして非難や批判だけをするカエル達と同じように何も行動をしないのです。

どれだけ、正しいことを語ったとしても行動を伴わない人は誠実でないように思います。正論を述べるのは簡単でも、それを実行に移すことはとても難しいことです。行ったことが仮にうまくいかなかったとしても、行動しない人が行動する人に対して文句を言う資格は無いように思います。文句を言う資格があるのは実際に行動を行った人だけだと思います。

命か経済か

カエルの楽園の世界でも「緊急事態宣言」として行動をしないようにとトップからお願いされます。それに従ったカエル達は徐々に食べるものがなくなり弱っていくことになります。

自分たちの命か経済かの2択を突きつけられると、それは「命」を選択することになると思います。しかし、経済と人の命は密接な関係性を持っています。日本では、完全失業率が1%増加すると自殺者が約2300人増えるというデータがあるそうです。今回のコロナ禍の影響で失業率は数%は跳ね上がるのではないかと予測がされています。そうなると何千人という人たちが自殺をしてしまうことになります。つまり、人命を優先したかに見えたことが、逆に多くの人の命を奪うことになってしまう可能性があるということなのです。

私たちは目の前の命のことだけを見て、その先何が起こるのかということについて考えることが出来ていないように思います。緊急事態宣言による一定の活動自粛は必要だったと思いますが、大事なのはこの先の対応だと思います。ここでの対応を間違えると本当に経済が破綻し、多くの人たちの命を奪いかねないのではないかと思います。そのためにも、政府だけでなく私たちも一緒になって考え行動していくことが求められるのだと思います。

希望を持つ

カエルの楽園の結末にグッドエンディングが描かれていますが、もちろん実際の世界で物語で描かれているようなグッドエンドを向かえる必要はありません。ただし「カエルの楽園」で描かれるグッドエンドと共通する私たちにとって必要なことは将来に対して「希望」を持てるかどうかだと思います。

現在の日本で生活していくことは結構息苦しいものですし、「日本は終わった」などと言う人たちの声もよく聞こえてきます。確かに楽観視できるような明るいニュースが日々流れるようなことは無いですが、別にそんなに悲観的になるようなこともないと思います。

日本は社会秩序と制度、そして経済基盤はしっかりとしたものを持っています。私たちは単にそれに気がついていないだけで、表面的なニュースに踊らされている部分が多いにあることを自覚しないといけません。ただ、それに気づくことが出来ずに状況的にどんどん苦しくなっていっている現実を事実として認識する必要があります。大切なことは次に私たちが次にどんな選択をするかによって、バッドエンドにもグッドエンドにも変わるということではないでしょうか。

まとめ

コロナ禍で苦しむ日本を題材とした「カエルの楽園2020」は、今後の私たちがどのように行動していくべきか考えさせられる作品の一つだと思います。

それは、将来に対して希望を持つために一人一人が学んでいくことなのだと思います。そして学んだことから自ら行動に移していくことがとても大切なことだと思います。グッドエンドを向かえるのか、バッドエンドを向かえるのかは私たち次第なのだと思います。

それでは、是非本書を自ら手にとって読んでみて欲しいなと思います。

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