【スープのさめない距離】これからの親子の関係性と働き方

子育て
子育て

「スープのさめない距離」とは、老親世帯と子世帯が、近すぎず遠すぎず、適当な距離で「別居近住」することを言い表した言葉です。

この言葉は、

1940年代にイギリスのJ・H・シェルドンが提唱した考えという説、または1960年代にオーストリアのローゼンマイヤーが用いた表現と言われる説があります。日本でも、1960年代後半には伝統的な家族制度ではなく、新しい家族形態として、 「スープのさめない距離」について議論されるようになっています。

今回は、「スープのさめない距離」を題材として、これからの親子の関係性と働き方について考えてみたいと思います。

「スープのさめない距離」が生まれた背景

そもそも農業主体で大家族の時代には「スープのさめない距離」を考える必要はありませんでした。工業化、高度経済成長の進展に伴って、日本各地で都市への集中が進みました。

都市で増えたのが核家族です。

ここに、遠く離れた故郷に住む親と、都市生活者の子供世帯という構図が生まれました。そして、老親世帯と子世帯の住まう距離について議論されるようになりました。

親世帯と子世帯が離れて住むことの問題

親の介護の問題

これから日本は超高齢化社会に突入していきます。最近では、独居老人の孤独死の問題があるように、こどもに介護を断わられてしまうといったケースは事実として存在しています。

また、親の介護をめぐって兄弟間で押し付け合いになったりするケースも多く、それだけ介護の問題は金銭的な面を含めて負担の大きな問題といえます。

子育ての問題

今では経済的な理由で共働きをしている家庭が多くなっています。そうした場合、近くに元気な親がいて子育てを助けてもらえることはとてもありがたいことです。

同居といわなくとも、近くに住んでいるだけでも安心感はかなり変わってきます。こどもが熱を出したら、仕事をきりあげて迎えに行かないといけません。これが出来る勤め人がどれだけいるでしょうか。迎えに行ってくれて少しの間だけでも面倒を見てくれる存在がいることは非常にありがたいことだと思います。

また、ひとり親の家庭にいたっては共働き家庭以上に子育ては大変になります。少しでも親の助けを得られる環境にいることは精神面を含めた負担をも助けてくれると思います。

老親世帯と子世帯が離れて住むメリット

老親世帯と子世帯が離れて住むメリットは、「気楽である」につきます。男性側の親世帯と同居するとなると、いつの時代も嫁と姑の問題は少なからず発生します。今では、嫁いできた女性が一方的に我慢する時代ではありませんが、お互いに気を使うことに変わりはないと思います。

親世帯の同居に対する意識

内閣府が行った、こどもがいる高齢者に対して「子と同居や近居の意向」の調査結果(※)では、同居か近居を希望している高齢者は約8割にものぼります。

・同居したい34.8%

・同居ではなく近居したい29.0%

・同居も近居もしたくない18.9%

・同居か近居のどちらかをしたい 9.6%

同居または近居したい主な理由は、「金銭面」より「安心して暮らせる」こととなっています。最近では高齢者の交通事故が問題視されるように、自分が年々年老いていく中で精神的な不安は大きくなっていきます。いざという時に頼りになる存在が近くにいて欲しいと思うは自然なことだと思います。

※内閣府HPより参照「平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」

平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果(全体版)PDF形式 - 内閣府
高齢社会対策大綱、高齢社会白書、高齢社会...

これからの働き方と住む場所

ネット環境が進んできた現代では、在宅勤務やクラウドソーシングなど時間や場所を選ばない働き方が広まってきています。フリーランスでなく会社員の方でも、必ずしも会社に出社しないといけないといことも無くなっていくかもしれません。

そうしたとき、自分たちが気に入った場所に住むのか、それとも親世帯と同居か近居をするのかという選択肢を踏まえた「働き方」の選択が出来るようになってくると思います。

親子双方にとってちょうどよいと感じる距離、不便のない距離は人それぞれだと思います。これからの働き方を踏まえて、親子の関係性や住む場所についてもっと考えてみても良いのだと思います。

まとめ

「スープのさめない距離」という言葉にあらわされるように、家族間の距離感や住む場所は時代とともに常に変化していきます。これからも、今までと違う「働き方」に変わってくる可能性は高いと思います。そうした時、自分の住む場所と親子の関係性について考えていかないといけないのだと思います。

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